「便秘薬をやめて便秘を治す! (松生 恒夫 著)」を読んだぞ!
「便秘薬をやめて便秘を治す! (松生 恒夫 著)」を、読みました。
いや~、この本は、なかなか読み進めませんでした。
優しい語り口のわりに内容が濃く、途中で何か所も引っかかったからです。
本書は、そのタイトル通り、刺激性のアントラキノン系下剤(大腸メラノーシス=色素沈着、で有名なヤツですな)から脱却をはかることを目的としています。
疲弊した腸をよみがえらせる一週間の「腸内リセット法」から始め、
・日常の食事、エクササイズ
・腸に優しい「酸化マグネシウム」等の塩類下剤や「防風通聖散」の利用(便を柔らかく!)
・坐薬の利用(便意を促す!)
・切り札として「高圧浣腸」
などより、刺激性の便秘薬から脱却をはかる、という内容になっています。
「腸内リセット法」については、「たまっていた便を出し切る」ことから始め、その後食事療法で腸内環境をリセットしていく、具体的なやり方が書かれています。
ほかにも本書には、参考になる内容がてんこ盛りです。
一例をあげると・・・
(1)小腸、結腸、直腸・肛門などの部位別に、便秘の原因・障害および有効な治療法や薬が、マトリクスで示されています。
ですので、「自分の便秘は、何が(どこが)原因そうだから、この薬は向いてないんだな」のように考えることができ、要因に対して効果のないクスリを選択肢から外すことができます。
(2)「便意の消失がある人には、直腸を刺激する坐薬が向いている」と書かれています。
ぱぱちんなどは、柔らかウンチを製造することばかりを考えがちですが、実際には、たまに便意が来なくなり、ウンコが固まって苦労するので、便意がこないときは早めに坐薬で対処する、といった方法を選択するべきなのかもしれません。
(3)食物繊維についても、効能や種類の詳述、食材による含有量から、計量法までが書かれています。
有効な食材の組み合わせ方や、「めかぶ納豆」などメニューの紹介も多数あり、またオリーブオイルやオリゴ糖の効果的な摂り方も書かれています。
(4)ありがたいことに、テーマごとの目的をかなえるための、各種の商品名が記載されています。
ぱぱちんが、出張などの際に愛用している「ファイブミニ」についても、「効果的」という記事があり、うれしくなります。
ファイブミニは、「ポリデキストロース」という、トウモロコシ由来の成分が含まれます。
「トウモロコシから作られた水溶性食物繊維」というと、ぱぱちんはすぐ、「難消化性デキストリン」が思い浮かびます。こちらもトウモロコシが原料です。
「何が違うのかな?」と思ってしらべてみると、最初につくられたときの目的が、ちがうのですね。
・ポリデキストロースは、糖尿病の予防や高脂血症の患者のための医療用
・難消化性デキストリンは、現代人の食生活に不足しがちな食物繊維を補う
まぁ、「便秘に関する効能は、結果的に近いものになった」ということでしょうか?
(5)酸化マグネシウムについて、詳細な記述がなされ、食事から摂取するための食材リストまでついてます。
また、「酸化マグネシウムでうまくいかない場合」として、「防風通聖散」という漢方薬が推奨され、その成分、効能も詳細にかかれています。
「防風通聖散」は、知らなかったです。ググって見ると、ダイエット目的での利用が多いようですが、副次的に「便秘に効いた」というレビューも多く、ちょっと気になりますね。
(6)ストレス要因による便秘に対して、ビタミンCによる対策が、さらには便秘解消のためのエクササイズ、マッサージも、様々な種類が紹介されています。
あとは、本書の最後の方に、「高圧浣腸」について記載があります。
これは、医師ならでは、医療機関ならではの提案だと思いますが、処置そのものは、「腸管洗浄」ほど大がかりなものではないようです。
例えば風邪をひいたときに、ふつうに通院して診てもらうのと同じように、ウンコがちょっと詰まったら、カイシャ帰りに気軽に通院して、ちょこっと「高圧浣腸をお願いします」なんてやってもらえると嬉しいのですが、無理ですかね?
・・・話が脱線しましたが、以上のように、本書はとてもためになる内容が多く、読んでよかったと思っています。
ホシいつつですっ!